日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定 受験記
============= 追記: 2018-07-05 =============
去る2018/07/04、株式会社FiNCで行われた「G検定合格者の会」にて、第一回試験の成績優秀者として表彰をいただきましたので報告します。
合格者の会、立ち消えになったのかなと思っていたのですが第2回検定と一緒にやるというお話で、「成績優秀者として表彰する。タダで美味いもの食わせてやる。」というご招待のメールを頂き、女児の身で僭越ながら参加させていただきました。
勉強不足のためか残念ながら最優秀賞は逃してしまいました。 しかし、話を聞く感じ皆さん真面目に時間いっぱい使って受けられておられたようで、後述のように1時間せずに回答を終えた不届き者は見受けられませんでした。 その点で私はほぼ間違いなく「時間あたりの得点効率」において圧倒的勝利を収めることができたのかなと思います。満足です。
一点解せないのは「最年少合格者の表彰」があったのですが、ごさいであるところの私が表彰対象でなかったことです。おそらくごさいはあまりにも幼すぎるためバリデーションで弾かれてしまったのかなと察するところであります。残念です。
ブログと紐付いて合格取り消しとかになるとイヤなので名前は伏せています。
=========== 追記ここまで ===========
ごさいようじょです。
2017年12月16日、第一回目の実施となる日本ディープラーニング協会(JDLA)ジェネラリスト検定(G検定)を受験し、
本日26日、無事に合格判定を頂きました。
得点は~~~満点中**点でした。(これは観測され次第状態が定まる不思議な文字列です。しばしお待ちください。) *1
せっかくなので受験記をここに記したいと思います。
ここで、このエントリの内容は単に個人の感想であり、記載された以上の内容、例えば筆者の気持ちなどを推し量り、見出してはなりません。 ご了承ください。
プロフィール
「東大受験記」、「オラクルマスター受験記」的な記事をみる感じ、受験記の最初にはプロフィールを書くらしいのでやります。
上は適当なこと書いてありますが、実際のところ私は情報系の人間ではないものの、ここ2~3年ほど流行りに乗ってディープラーニングやら、その周辺領域の研究をしている女児です。
ただ専門的にはILSVRCでAccuracy勝負をするようなガチガチのディープラーニング屋ではなく、どちらかと言えばトラディショナルなニューロ屋とか横断領域の人間といったほうがおそらく適切かと思います。
少なくともDeep Learningという言葉を多用する世界線には居ません。
deep neural networks, recently known as deep learning ですかね。
推薦図書
よく知らなかったのですが、検定には推薦図書とやらがあったそうです。
読了状況は以下になります。
AI白書 2017
IPAからこんな本出てたんですね。知らなかったです。
後述しますがよくわからなかった問題はこの本から出てたのかな、と思います。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
- 作者: 松尾豊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2015/03/10
- メディア: Kindle版
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松尾先生が書かれた本らしいです。キャッチーなタイトルですね。
Kindle版が500円しないらしいので今度暇なときに読んでみます。
深層学習 機械学習プロフェッショナルシリーズ
- 作者: 岡谷貴之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読みました。当然です。俗に言う青本/岡谷本ですね。言うまでもなく良書です。
ちなみに青本というと、もう一冊の深層学習に関する良書も、人工知能学会誌の特集を集めたやつも「青本」なので紛らわしいところです。
- 作者: 麻生英樹,安田宗樹,前田新一,岡野原大輔,岡谷貴之,久保陽太郎,ボレガラダヌシカ
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2016/02/01
- メディア: Kindle版
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蛇足ですが、深層学習にとっつくのは最初は下のJSAIの青本のほうが網羅的で、歴史的なところとかそういうのもきちんと書いてあって個人的にはオススメです。
ただ簡潔かつ密度高く書かれていて少々わかりにくいところもあるので、そこは軽く読み飛ばして、岡谷先生の本を読んでもう一回戻ってくるのがよいと思います。
まあ最初に「よく知らなかったのですが」とか言ってる時点でそういうことです。舐めプはやめましょう。
ちなみにこういう書評みたいの、「あふぃりえいと」っていうのをやるとすごく儲かるって聞いたんですけど誰か教えてください。
勉強方法
試験対策的な勉強は一切していませんが、(国語の)作文とか(お遊戯会の)発表をするときに必要になるので、AIの歴史的側面みたいなものはなんとなく抑えています。
研究のスコープ的にはコンピュータビジョン屋なので、CV系の話についてはある程度は最近の研究なんかも追えているつもりです。
一方で強化学習周りや、特に自然言語処理の周辺はからっきし(小耳に挟む程度)なので、そのへんは素直に勉強が足りなかったな、どう考えたってやるべきだったよなと思います。
いえ普通に舐めプでしたすみません許してください何でもしますから
所感など
まず試験の難易度について、舐めプしといてなんですが普通に高かったと思います。
合格率は60%を切っており、休日のオンライン受験で受験率は高いであろうことを鑑みると、まあなかなかといったところですね。
受験形式は多岐選択式で、出題数は当初の予告は100問とのことでしたが、実際は 中問が 100問で小問は230問とかそのくらいあってびっくりしました。
内容としては、 あんまり言うと怒られそうなのでぼかしますが、出題範囲は
- AI研究の歴史
- 産業界へのディープラーニングの応用事例
- 機械学習技術の概要(SVM, ロジスティック回帰とかなんとか)
- ディープニューラルネットの基本的な数理
- CV・NLP・RLなどへの応用
- AIと法・倫理とか
- などなど
例えば
- AIに関する文章穴埋め
- この関数を偏微分せよ
- 一層のパーセプトロンの順伝搬を求めろ
- 深層学習フレームワークとその特徴について(Caffe, chainer, Torch, Tensorflow+Keras)
- Google, Amazon, Apple, Microsoft, nVidiaなどのAI分野への取り組み
- 学習済みモデルの権利に関する法律
とかとか、いや書いてみて思いましたが、本当に多岐にわたっていました。
法律とかそういうよくわかんないのはAI白書に書いてあるっぽいですね。
設問内容に関して特に、2017年の
[1706.00712] Convolutional Neural Networks for Medical Image Analysis: Full Training or Fine Tuning?
で触れられている内容について問う問題があって、結構おおっと思いました。
なかなかナウいですね。イケてますよ。
個人的な出来としては、その辺のテクノロジ的な所はよいとしても、
それ以外のジェネラリストっぽい「人工知能」然としたところ(シンギュラリティーについてこんな有名人が〜〜と言ったとか 知らねえよ)とか、AIに関する法律みたいなところは本当にボロボロでchance levelくらいの正答率しかないと思います。
それでも一応合格はいただくことができたので、合格ラインはまあ普通に6~7割のあたりではないかな、と推測します。
細かい部分を問われる問題も多かったですが、設問全体を通して特に強調されていたのが
「AI(DNN)を実応用するにあたって最も重要なのは、AIに何ができて何ができないのかをしっかり認識すること」
ということでした。
これに関しては、本当の本当に、全く以って、心の底から、全力で共感することであり、このことが共通認識となってくれるだけで人工知能技術の実社会応用の推進の助けになると思いますし、何より実際に問題に取り組む理系職が、このブームの中で無茶振りに揉まれて死んでゆくのを止めることができるのではないかな、と思います。
設問の細かなところには首をかしげるところも皆無とは言えなかったのですが、上のメッセージを広く・強く伝えてくださるだけでも十分な価値ある検定試験だと思います。
受験のアドバイス
当該分野についてバリバリ業務で使っていたり、今red oceanの中で絶賛泳ぎ回っている方を除いて、ノー勉は普通に無謀だと思います。
とはいえこの範囲をずぶの素人の方が全部カバーするのもなかなか難しいと思うので、指定図書をざっと読んで、エンジニアの方はモデルの内容とか数理的なバックエンド、
営業とかコンサルの方は歴史、法律、応用事例とかそういうのにフォーカスして 確実に8割取りに行く つもりで臨むのがよいと思います。
合格すると名刺にJDLA Generalistって書いていいらしいのでがんばりましょう。
おわりに
無事合格してよかったです。
門外漢の方が落ちてもまあ、ですが、ようじょの場合ド専門なのでシャレになりません。
チラ裏
ここから先は頭のいい人には見えない領域です。
- 第5世代コンピューティングのくだりは最高に面白かった
- あれはナイスセンスだと思った。今年一番面白かった、受験者の方には伝わってほしい
- 点数は開示されないんでしょうか?
- なんか合格メールは来ましたけど合格証書みたいのって貰えないんですかね
- マジで一生分「人工知能」「AI」という単語を見て喉が痒くなった
- じんこうちのーってなにようじょしらない
- 受験のUIが微妙
- 選択式の方はまあいいけれども、見直しする気にならない(ただし見直しをしなかったのはそれだけが理由ではない)
- 紙媒体はやっぱり見直しで問題を俯瞰できるのが強いですね。まあ一長一短だけども
- これってググっちゃダメでしょ?
- 神経回路モデルとかAIに関する分野は言葉の使い方とか歴史認識に宗教的なところがあるから、JDLAの定義が産業界でコンセンサスになるというのは一部から反発がありそう
- 自動運転ってディープラーニングか?
- 人工知能検定のほうが適切では?
- JDLA ディープラーニングG検定 内容・難易度・試験対策まとめ – 京都の技術者ロードローラーさんのブログ
- ⇡こんなエントリがあった。最後。さもありなん。
エンジニア検定も受けたいとは思う
- ただ公認プログラムって何ですか?お金かかるんですか?論文で替えられませんか?
- 3万円はちょっと高いですね
- でも「実技試験」は面白そう。20面サイコロでGibb'sサンプリングしてCD-1学習、楽しみにしてます!!!!
ディープラーニング検定、実技試験ってなんだよ、20面サイコロと数表でcontrastive divergenceの計算でもさせられるのか
— ごさいようじょ (@tochikuji) 2017年10月4日
ディズニーランドって舞浜にあるんですね
- と思ったんですけどディズニーランドって舞浜にあるんじゃないんですか?
- 舞浜のなんとかヒアリみたいなところのパン屋カフェみたいなところで受験したんですけどパンが高かった
- 休日の舞浜は人が、特にカップルと親子連れが多くて辛かった
- カフェっぽい所を頑張って探したのに店内でラップトップ広げている、それどころか一人で来ている人間が存在しなくて間違いなく点数に影響した
- そもそも前日まで熱出して寝込んでいたので合格したのは奇跡
- 当日も完全に喉は死亡していたし、道程で熱をぶり返していた可能性が高い
- これは点数が出て、ギリギリ合格だったときの予防線である
- そもそも 聖なる☆ディアステージ | DEARSTAGE と日程が被っているのがおかしい
- 事前物販に間に合わないので見直しも早々に1時間弱で出るしかなかった
- いや結局、事前物販には間に合わなかったんだよ
- ディアステージはいい加減こういう自分のところのイべでグダグダするのはやめてほしい
- 物販があのレジ数で絶対に捌けないのはもう何回もやってわかりきってるじゃないですか
- その後の誘導ももうちょっとなんとかなったでしょ、席番決まってるんだし
- 特に特典会の2チェキ会、あれは絶対に許さん